竹村活版室

雑記帖

はじまり

2011年2月2日

六畳ほどしかない、小さな部屋で
活版印刷の工房をきりもりしています。

私が活版印刷に出会ってまだ数年。
活字を拾い、組み、インキを練る。
機械に組み付け、試し刷りをし
圧を調整し、ムラをとる…。

作業の集積、時間の蓄積、
人の手跡が残るような、気配が息づくような。
目には(見えるのだけれど)見えない向こう側。
そんなところを知れば知るほどすっかり惹かれてゆきました。

ある日、高知市内にかろうじて残る活版印刷所を訪ねました。
小さな印刷所、煙草を咥えて座るおじさんが一人。
聞けばこの道半世紀の職人だといいます。
それからというもの、この師匠に少しずつ
手取り足取り活版印刷を教わるようになりました。

竹村活版室では手動の活版印刷機を使い
一枚一枚、手刷りで作業をしています。
時には、ほかの印刷所で版を持ち込み印刷をすることも。
こうして職人さんを訪ねるたび新たな発見は尽きません。
とても大事な時間と考えています。

少しでも活版印刷がどういうものなのか
見てもらったり知ってもらったり触れたりできる
場所や機会となればいいな、その思いで始めました。
ぜひ一度、おたずねください。

まだまだ駆け出しの身なのですが
高知の街の日常にひっそり灯り続けられたなら、
そんなうれしいことはありません。

 

 

竹村 愛